不思議なる惨劇《さんげき》

   不思議なる惨劇《さんげき》

 死と生とを決める刻限は、既に過ぎた。 死の宣告状をうけとったこの邸の主人玉屋総一郎は、自ら引籠った書斎のなかで、一体なにをしているのであろうか。その安否を気づかう警官隊が、入口の扉を破れるように叩いて総一郎を呼んでいるのに、彼は死んだのか生きているのか、中から...

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東京弁のその警官

 署長は居間の前に、警官が一人立っているのを見て、ホッと安心した。「オイ異状はないか。ずっとお前は、ここに頑張っていたんやろな」「はア、さっきガチャンのときに、ちょっと動きましたが、すぐ引返して来て、此処に立ち続けて居ります」 と東京弁のその警官が応えた。「なんや、やっぱり動いたのか」「は...

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たしかに蠅男に違いあらへん

「本当《ほんま》でっせ。たしかに蠅男に違いあらへん。ゴソゴソゴソと、重いものを引きずるような音を出して、二階の廊下の下を匍うとりました」「二階の廊下の下を――」 と署長が天井を見上げると、周囲の警官たちも、こわごわ同じように天井を見上げながら、頸を亀の子のように縮めた。「鼠とちがうか。蛇が天井...

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