糸子の質問

   糸子の質問

 室内を見廻している村松検事は、そこに帆村の姿を認めたので声をかけた。帆村はしきりに天井を見上げているところであった。「なんです、検事さん」「うむ帆村君、ちょっとここへ上って見てくれたまえ。ここに君が面白がるものがあるんだ」 といって、村松検事は宙に下っている総一郎の頸のあ...

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尋常な殺人法ではない

「うん、とにかくこれは尋常な殺人法ではない」 検事と署長は、踏台の上で顔を見合わせた。「ねえ、検事さん。一体この被害者は、頸を締められたのが先だっしゃろか、それとも鋭器を突込んだ方が先だっしゃろか」「それは正木君、もちろん鋭器による刺殺の方が先だよ。何故って、まず出血の量が多いことを見ても、こ...

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村松検事は屍体を見上げた

「おお血や、血や」「ナニ血だって? 縊死《いし》に出血は変だネ」 と村松検事は屍体を見上げた。そのとき彼は愕きの声をあげた。「うむ、頭だ頭だ。後頭部に穴が明いていて、そこから出血しているようだ」「なんですって」 人々は検事の指《ゆびさ》す方を見た。なるほど後頭部に傷口が見える。「オイ誰か...

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