冷い父親の下半身

 糸子は帆村の手をふりきって、冷い父親の下半身にしっかり縋《すが》りつき、そしてまた激しく嗚咽《おえつ》をはじめたのであった。鬼神のように強い警官たちではあったけれど、この美しい令嬢が先に母を喪い今こうして優しかった父を奪われて悲歎やる方なき可憐な姿を見ては、同情の心うごき、目を外らさない者はなかっ...

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騒がしい諍《いさか》い

 そのとき室の入口に、なにか騒がしい諍《いさか》いが始まった。 踏台の上にいた検事はヨロヨロとした腰付で入口を見たが、ひと目で事情を悟った。「オイ帆村君。被害者の令嬢がこの惨劇を感づいて入りたがっているようだ。君ひとつ、いい具合に扱ってくれないか。むろんここへ近付いてもかまわないが、その辺よろし...

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糸子の質問

   糸子の質問

 室内を見廻している村松検事は、そこに帆村の姿を認めたので声をかけた。帆村はしきりに天井を見上げているところであった。「なんです、検事さん」「うむ帆村君、ちょっとここへ上って見てくれたまえ。ここに君が面白がるものがあるんだ」 といって、村松検事は宙に下っている総一郎の頸のあ...

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