署長は首をかしげ

「へえ、二十九日か」署長は首をかしげ「そらおかしい。ドクトルは三十日に、当分旅行をするという札を玄関にかけて、この邸を留守にしたんや。旅行の前日の手紙で、二、三日うちに大阪へ来いといって置いて、その翌日に旅行に出るちゅうのは、怪《け》ったいなことやないか。そんな手紙貰うたなどと、お前はさっきから嘘を...

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東京からの客

   東京からの客

 そのころ鴨下ドクトルの留守宅では、屯《たむろ》していた警官隊が、不意に降って湧いたように玄関から訪れた若き男女を上にあげて、保護とは名ばかりの、辛辣《しんらつ》なる不審訊問《ふしんじんもん》を開始していた。「お前は鴨下ドクトルの娘やいうが、名はなんというのか」「カオルと申...

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脳味噌を絞った挙句《あげく》

「出来んちゅうのか」「いえ、まだ出来んいうとりまへん。いま考えます。ええ、こうっと、――」 下僕《しもべ》たちが脳味噌を絞った挙句《あげく》、その四角な空気孔を、下から厚い紙で三重に目張りをしてしまった。「さあ、これでもう大丈夫です。こうして置いたら蠅や蚊どころか、空気やって通ることが出来しま...

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