互いに顔を見合わせた

 若い男女は、愕きの目を見張って、互いに顔を見合わせた。「きょうの列車は、燕《つばめ》号ですネ。だいぶん空《す》いていましたネ。お嬢さんは、よく睡れましたか」 これを聞いていたカオルは、真青になった。「ああ、もうよして下さい。気持が悪くなりますわ。探偵なんて、なんて厭《いや》な商売でしょう。ま...

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正木署長からお電話でございます

 そのとき、奥の方から一人の警官が、急ぎ足で入ってきた。「検事どのに申上げます。只今、正木署長からお電話でございます。玉屋邸から懸けて参っとります」 検事は、その声に席を立っていった。帆村は、引返そうとする警官をつかまえて、莨《たばこ》を一本所望した。警官はバットの箱ごと帆村の手に渡して、アタフ...

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探偵眼

「だが検事さん。あのドクトル邸は、ドクトル一人しかいなかったと仰有っていますが、事件前後に、若い女があの邸内にいたことを御存じですか」「ナニ若い女が居た――若い女が居たというのかネ。それは君、本当か。――」 村松検事は、冗談でない顔付になって、帆村の顔を穴の明くほど見つめた。

   探偵眼...

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