生きている主人

 そういって村松検事は、時計を見ながら、帆村の肩を指で突いた。 しかし、警官は、何に感心したものか、いつまでも、「なるほどなアなるほどなア」と独《ひと》り言《ごと》をいいながら、二人の出てゆくのにも気がつかない風だった。

   生きている主人

 夜はいたく更けていた。 仰ぐと、寒天には一杯...

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青いインキで染めたような泥

「いえ、さっきこの家で始めて会ったばかりです。だがチャンと分るのです。あのような青いインキで染めたような泥は、板橋区の長崎町の外《ほか》にないんです。もっと愕かすつもりなら、通った通りの丁目まで云いあてられるんですよ」「へえ、驚きましたな。しかしまた、あんな青い泥がその長崎町だけにあって、外の土地...

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鉄道時間表の常識

「ははア燐寸と鉄道時間表の常識とが種だっか」と警官は大真面目に感心して、「すると東京が暖いとか、雨が降っていたというのは――」「あれは、上原君なんかの靴を見たんです。かなりに泥にまみれていました。ご承知のように、わが大阪は上天気です。しからば、あの靴の泥は東京で附着したのに違いないでしょう。それも...

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